漆喰に塩害の可能性はあるのか?
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EM漆喰は外部でも使用ができるよう設計されています。
塗り壁材で外部を仕上げると建物の表情が柔らかくなり
木材や石材などとの相性も良いので
建物への愛着も増すものと思われます。
EM漆喰を外部で使用する際に
海沿いで建てるため塩害の可能性があるかというご質問も頂きます。
漆喰に塩害の可能性があるか考えてみましょう。
塩害とは何か
海沿いの場合、風で運ばれるような細かな海水が
建物へ飛んできます。
潮風は時によって強いですから
波や風で塩分を含んだ海水が内陸部へ飛ばされます。
その塩分が鉄分を錆びさせたり
建物自体を汚してしまうということも起きます。
付着した塩分によって酸化してしまうことにより
被害が増えてしまうということも起きるようです。
EM漆喰の主成分
EM漆喰の主成分は「消石灰」です。
消石灰は強アルカリ性です。
消石灰の素となるのは石灰です。
石灰岩は、太古の海中でサンゴ虫類などの海棲生物が堆積、
化石化したものが長い時間をかけて
海洋プレートによって大陸まで運ばれ、地上に隆起したものです。
まさに太古の海からの贈り物といえます。
そのほかに海藻糊やスサが入っています。
三和土土間の作り方
最近ではなかなか見ることができませんが
三和土土間を見たことがある方もいらっしゃると思います。
いわゆる古民家の土間ですね。
この三和土土間はどうやって作るかというと
①消石灰+②にがり+③土を利用して固めます。
にがりは塩化マグネシウムを主成分としておりますがいわゆる一般的な塩の塩化ナトリウムも含んでおり、海水に近い塩分という点で共通として、イメージして頂くとわかりやすいと思います。消石灰はEM漆喰の主成分ですので、塩分との相性は良いと考えられます。石灰の成り立ちを考えても塩分との相性は良さそうです。海沿いの街
エーゲ海の沿岸の街並みを見てください。よく見る光景だと思いますがこれらの建物の外装は漆喰のものがほとんどです。塩害対策がメインではないと思いますが海沿いで使用されていることから塩害に対して非常に強いことがお分かりいただけると思います。除塩
塩害が発生している農地で行われるのですが石灰系の土壌改良剤を投入して塩分濃度を下げる方法です。石灰に含まれるカルシウムイオンが土壌表面に付着したナトリウムイオンに置換され土壌中のナトリウムを取り除く仕組みです。先日の東日本大震災でもこの除塩は実施されているようです。塩分濃度が下がるのですから漆喰は適しているともいえそうです。外部での使用についての注意点
EM漆喰には鉄の成分も入っていないため塩分と反応する成分は入っていません。海沿いの地域での外部使用も問題ないと考えています。ただし注意点があります。専用の撥水コートは必ず塗布してください。潮風に乗って塩分は飛んできますのでその塩分を雨で洗い流すことも考え撥水コートを必須としてご検討頂ければと思います。塩害についてご理解いただいたところでEM漆喰をご検討される方はこちらからどうぞ。EM漆喰EM漆喰外装用添加剤撥水コートについてはお問合せ下さい!建材事業部 フセヒロシ
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